連日の猛暑に加え雨が少ない日が続きますが、宮城県の鳴子ダムは7月26日の10時頃に貯水率が10%を切っていましたが、29日午前3時に貯水率が0%になりました。
ダムの水不足の状況について
鳴子ダムの発表資料と周辺情報
これは、平成6年以来、31年ぶりの出来事。
鳴子ダムにおいては、6月から7月にかけての少雨の影響により流入量が減少するなか、かんがい用水の補給を続けてきましたが、令和7年7月29日(火)午前3時に、貯水率が0%となりました。
このため鳴子ダムでは、本来取水を予定していない、最低水位以下(ダム堆砂容量)に貯まっている水を、利水者の要請に応じ、ダム使用権者や漁協など関係者の同意を得て、放流バルブから緊急的に放流しています。引用:鳴子ダム貯水位低下への対応|鳴子ダム|記者発表
米の収量に当然影響してきますので、恵みの雨を期待したいところ。

何年か前もダムの貯水率低下を、台風到来によって改善をもたらしてくれましたが、関東上陸の可能性のある台風9号(クローサ)が救ってくれるでしょうか。

宮城県にはもう一つのダムがありますが、その釜房ダムの貯水率は84%を超えておりますが、岩手県にある御所ダムは現在8%前後を推移しており、鳴子ダムと同様0%になるのは時間の問題のようです。
鳴子ダムの特徴
鳴子ダムでは昭和32年のダム完成以降、毎年5月の連休時期にダム上部(堤頂越流部)から放流が行われます。
これは雪解け水で上昇した水位調整と施設の安全点検を兼ねて、昭和33年からほぼ毎年実施され、幅95m、高さ約80mの巨大な滝は「すだれ放流」と呼ばれています。
自治体や国の動き
国土交通省では、7月30日に「国土交通省渇水対策本部」を設置し、渇水情報総合ポータルにおいて情報発信しています。
北陸地方において特別対策支援が行われ始めています。
農作物等への渇水被害応急対策支援を実施します。 – 新潟県ホームページ
砺波市では、給水車を出動させ水を供給する対応が取られています。
市1/3、農協1/3、事業主体1/3の負担となっていますが、お米の値段にも反映されてくることが予想されます。
人工降雨の技術とは
「アフリカのある部族が雨乞いをすると必ず雨が降る」とありますが、 「雨が降るまで続ける」宗教儀式なのでしょう。
しかし、この時代においては自然任せではなく、科学で解決する方法があります。
それは、ヨウ化銀とアセトンの混合液を燃焼させ、煙を噴射。上空の雨雲の中で人工的に氷結晶の核をつくり、雨を降らせる仕組み。
雨を降らせて晴れを作る -人工降雨の技術-|テクノ雑学|TDK Techno Magazine
この方法は、北京オリンピックでも利用されていて、開会式が晴れるように雨雲が会場付近に到達する前に雨を降らせたということがありました。

東京都水道局が採用している「人工降雨装置」があります。これは東京都多摩川水系の小河内(おごうち)ダム周辺に設置されているものです。その装置の運転の様子が動画にも公開されています。
人工降雨の効果は
装置の稼動は2001年8月以来、12年ぶり。噴霧された煙は目視確認できませんが、その当時の様子と議会に記録されています。
2003年(平成15年)12月11日の東京都議会に樋口ゆう子氏(政治家の樋口俊一氏のご夫人)の発言が次のように記録されています。
関東地方一都五県で、利根川水系で一〇%の取水制限を行ったときでございます。東京都は多摩水系の小河内貯水池の貯水量を確保するために、奥多摩と山梨に設置しております人工降雨装置を稼働させました。
少々詳しくご説明させていただきますと、沃化銀、アセトン溶液を燃焼させまして、それを煙にして上昇気流に乗せて、そして待つ。その人工降雨というのは五年ぶりに降ったわけなんですけれども、そのときの人工降雨作戦の際、小河内貯水池周辺で最高四二・五ミリの大雨が降ったんです。石原慎太郎知事は、洪水になるかも、画期的だと賞賛されたそうでございます。そのときに大雨洪水警報も出たんです。
このような気象コントロールは、イタリアやイスラエルなどを含め、30カ国で行われているようです。
人や自然を守るためのテクノロジーであれば、活用してほしいと思います。
食育は国防にもつながってくるので、日本の米づくりを守ってください。

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